20.03.24 魔法の言葉
3:00 AM
初めての長時間の撮影の後
本当に疲れていて何もしたくなかった
帰宅後すぐにお風呂に入って
今日はすぐに寝たかった
そんな日に限って寝つきが悪い
急に不安になる
こんな感情のときは
いつもお母さんがそばにいた
お母さんの大丈夫の一言で
全てが大丈夫になった
お母さんの言葉には
時に魔法が宿った
それはもう過去の話
今すごくお母さんに会いたい
正体のわからない不安を
笑い飛ばして欲しい
骨壷の中をひとつまみ食べたくなるほど
お母さんを感じたいを思った
猛烈に寂しい
あの日以降
忙しい毎日だった
それが落ち着くと
自分の生活に大きな変化があった
お母さんが私に落ち込む時間を与えないようにしてたのかもしれない
お母さんは私の悲しみの涙が嫌いだった
今私はビートルズのBlack birdを聴いている
お母さんが大好きだった曲
私もこの洒落たメロディと
ギターのコード変更のときに微妙に聞こえる音が好きだ
お母さんは私にいろんな音楽を教えてくれた
ラジオが大好きだったお母さんは
まだ無名のアーティストの曲をラジオで聴いては
彼らのブレイクを言い当てた
そういうセンスも大好きだった
もちろんお母さんが若い頃に聴いていた曲も
私に大きな影響を与えた
そういう曲はカセットテープで聴かせてくれた
私がまだ学生の頃
休みの日には
家事をしながら
コンポの周りに溢れる
カセットテープやCD、MDの中から
聞きたい曲を流して
ふたりで好きに歌う時間が好きだった
たまにコンポの取り合いになった
あの頃はわざわざCDを借りてきて
カセットやMDに写したり
パソコンでCDをコピーして
ジャケットをカラーコピーしてそれっぽく作ってみたり
そんな手間を惜しまず
楽しめるのがお母さんだった
最近では聞きたい曲がすぐ聞けて手軽になっていく音楽に
なんとなく切なさを感じてたんじゃないかと思う
私にとっての大きな情報源は今どこにいるんだろうか
どこからか私を見ているんだろうか
お母さんのように
何事も上品で適度に特別感があって
そういうセンスを磨いていきたい