20.02.04 火葬場
火葬場についた
斎場からはバスで15分ほどのところにある
不思議な雰囲気で
無機質で
四角い箱って感じの
色で表すならば
白と灰色
誰も息をしていない感じがした
6番の部屋にお母さんが運ばれていた
これが本当に最後
目に焼き付けた
そのあとはどこかで見たことがある映画と同じ
係りの人がガチャンと扉を閉める
この頃には私はもう諦めがついた
親族は待機室に入って
私と夫は近くのコンビニへ軽食を買いに
久しぶりにゆっくりとした時間を過ごした
夫の家族もきてくれて
おじいちゃんと義理のお父さんお母さんは
会うのは結婚式ぶりだけど話すのは初めてで
とてもいい機会だった
夫のお父さんは元校長先生
人格者みたいな人
夫の家族は本当に温かい
私はお父さんとお兄ちゃんと話していた
お母さんは現在父方のおばあちゃんが一人で住んでいる
山口のお墓に入ることになる
これからも寂しくないように
おばあちゃんの家の敷地内に
別荘を建てようとのこと
お墓は家のすぐ裏にある
遺産は建築に使うことになった
2時間くらい経ってから火葬が終了するアナウンスが聞こえた
お母さんの骨は驚くほど小さかった
一人ひとり骨壷に入れていく
最後に兄弟3人で分骨のために
骨を持ち帰った
私は右手の指先の骨をお箸ですくった
私と一番触れていた右手
美味しい料理を作ってくれて
綺麗な絵をたくさん描いた
心のこもった文章を書いた
その魂が込められている気がした
そのあとは親族みんなで夜ご飯を食べた
遺影と骨壷と位牌を脇に飾った
この3日間一緒にいたみんなと
思い出話をした
父方のおばあちゃんは耳が遠くて
あまり話が噛み合わないけど料理上手でとても可愛い
今度お父さんが補聴器と携帯を買ってあげることになった
90歳の母方のおじいちゃんは耳も目もとても良い
そしておじいちゃんの昔話はとても面白い
頭もキレキレで話してるといつも引き込まれる
こうして怒涛の3日間が終わった